目の前にお金が落ちています。
アナタなら、いくらまで拾いますか?
何も知らないイタイケなワタクシは
「やっぱり、1万円でしょ!1枚くらいならサクっと拾えそうだよね♪」
なんて、のんきなことを抜かしておりました。
しかし、そんな絵に描いたモチが実際に落ちていたとしたら。
あれは、忘れもしない。
地下鉄半蔵門線、渋谷駅改札付近
2012年1月13日(金曜日)のことでした。
ワタクシはあの場違いな表参道にいささか疲れ果て、
乗換えが迷路状態で、全ての通路がスクランブル交差点の渋谷を離れて、
一刻も早くあの庶民的な郊外の我が家に帰りたいと思っていたのです。
あぁ、これから歯医者だ。どうしよう。
とか、多分どうでもいいことを考えていたと記憶しています。
そこに突如現るモチ。
いや、紙。
いや、諭吉。
いや、札。
いや、1万円札。
!!?!?!?!?!?!?
↑もうこんな感じです。
実際に1万円がたった一枚足元に落ちていたときの気分というものは。
最初はなんだかわかりませんでした。
あれ。なんか見覚えのあるものが落ちているなぁ。と。
次に確認に入ります。
もしかして、あれってあれってあれなんじゃ。
さらに確認します。
まさかまさかまさかまさか。
この間、わずか3秒。
1万円と認識するのに3秒かかるのです。
人の脳みそというのはいい加減なもので、
普段はサイフやらポチ袋やら金庫やらに
大切に大切に保管されているあの1万円札も
鼻をかんで、要らなくなったティッシュペーパーよろしく
捨ててあると、1万円と思えないようです。
そして、1万円と認識したワタクシに天使と悪魔。
悪魔「オットー♪オマエラッキーダナー!コレカラKちゃんトゴハンダロ!?モラッチャイナYO!」
天使「ダメヨ!ダメダメ!キットコマルヒトガイルワ!」
悪魔「デモ、コマッテイルヒトモオトシタコトキヅカナイカモシレナイカラトリアエズヒロットコウゼ!」
天使の回答を待たずに決めたワタクシの決断は……
壱万円を
見なかったことに
ココまで1万円と思しきものを発見してから
わずか5秒。
決して、決して振り向いてはなりません!
この道をまっすぐに!まっすぐにただひたすらに!
そうです。ワタクシは悪魔の所業に屈するまいとするあまり、
天使の親切心に耳を傾けることもせず、
ただ、ソレをなかったことにしたのでした。
流れる渋谷の人並みに飲まれまいとしたとも、
周りの視線が怖かったからとも言われていますが、
ただ一つ、言えることは
ワタクシは1万円すら拾えない
とんでもないチキン女
だということが判明したということです。
この話を昨日から累計で20人程度にしましたが、
どなたも
「ありえねー!もったいねー!」
とか
「いい人ぶってんじゃねーよ!」
とか
「今日の飲み代がー!」
とか
おっしゃいます。
ごもっともだと思います。
だって、一番後悔しているのは
このワタクシに他ならないからです。
しかし、目の前に
見るもずさんな方法で壱万円が置かれていたら
人間、意外と反応できないのかもしれません。